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昔の人は歯を「磨く」より「削る」?

こんにちは。下目黒・目黒駅エリアの歯科・歯医者の【ルートデンタルクリニック】です。

現代では「歯を磨く」ことが当たり前ですが、実は古代の人々は“歯を削る”ことが多かったという事実があります。時代や文化によって歯に対する考え方やケアの方法は異なっており、私たちが今当然と思っている習慣とは大きく異なる面もあるのです。

古代の風習:歯を削る・染める文化

世界中の様々な民族の間で、歯を削ったり、尖らせたり、染めたりする風習が存在していました。たとえば日本の古代(弥生時代〜平安時代)には「おはぐろ」と呼ばれる歯を黒く染める風習があり、既婚女性や武士階級などの間で広く行われていました。また、東南アジアや中南米の一部では、装飾や通過儀礼の一環として歯の表面を削ったり、模様を入れたりする文化が見られます。

当時は美しさや身分、信仰の象徴として「歯を整える」行為が重要視されており、それは機能性よりも審美性や儀式性に重きが置かれていたことを示しています。

歯磨きの習慣がなかった時代

現在のような歯ブラシや歯磨き粉が一般化するのは、実はここ100〜150年ほどの話です。古代や中世の人々は、木の枝や布でこすったり、灰や塩を使って清掃したりしていました。日本でも、江戸時代には「房楊枝(ふさようじ)」という先端をほぐした木の枝を使って歯をこする風習が広まりましたが、それでも「磨く」というよりは汚れをかき出す、清める程度のケアでした。

また、江戸時代の上流階級では「歯石を削る」ことも一部で行われていましたが、これは虫歯予防というよりも見た目の問題や口臭対策の一環でした。

なぜ削ったのか?

美意識(歯の形や色を整える)
成人や結婚の儀式としての通過儀礼
敵を威嚇するための装飾(戦士階級など)
部族の一体感やアイデンティティの象徴

このように、歯を削るという行為は、“歯を大切にする”というより、“歯を使って自分を表現する”という意味合いが強かったのです。

まとめ

現代のように「毎日歯を磨くこと」が常識となったのは、科学的な知識と予防歯科の発展によるものです。昔の人々は、歯を健康に保つというよりも、文化的・宗教的・審美的な理由で歯を加工していたという側面が強く、むしろ「削る」ことで意味を持たせていたのです。

私たちが当たり前と思っている「歯を磨く」習慣も、長い人類の歴史の中ではごく新しいこと。歯と人間の関わり方は、時代によって大きく変化してきたことがわかります。

参考文献:

  • 鶴見大学歯学部 口腔保健学講座資料
  • 国立科学博物館「日本人の歯の歴史」
  • 「Dental Modification: Anthropological and Cultural Practices」(米国歯科人類学会)
  • 日本口腔衛生学会「歯磨きの歴史」