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歯を失うと脳にも影響がある?
こんにちは。下目黒・目黒駅エリアの歯科・歯医者の【ルートデンタルクリニック】です。

「歯が抜けても噛めれば問題ない」と思われがちですが、実は歯の喪失は口腔内だけでなく、脳の健康にも深く関係しています。近年の研究では、歯を失うことで脳機能の低下や認知症リスクの上昇につながる可能性があることが報告されています。
噛むことが脳を刺激する
私たちが食べ物を噛むとき、あごの筋肉だけでなく、脳の特定部位(前頭葉や海馬など)も活性化します。特に海馬は記憶を司る重要な部分で、噛むことで血流が増え、脳機能の維持につながると考えられています。歯を失って噛む力が弱くなると、この刺激が減少し、脳の活動も低下してしまう恐れがあるのです。
歯の数と認知症の関係
日本を含む複数の疫学調査では、残っている歯の本数が少ない人ほど認知症の発症リスクが高いという結果が報告されています。ある研究では、歯が20本以上残っている人に比べて、歯が10本未満の人は認知症のリスクが約2倍になるというデータもあります。
入れ歯の有無も影響する?
歯が抜けたあとに入れ歯などでしっかりと噛めている場合は、脳への影響が軽減されるという報告もあります。つまり、歯を失っても「噛む機能」を保つことができれば、脳の健康維持に役立つ可能性があるのです。
予防のためにできること
・定期的な歯科検診で歯周病やむし歯を早期発見
・しっかり噛む習慣を日頃から意識
・歯を失っても適切な補綴(入れ歯・インプラントなど)を行う
・栄養バランスのとれた食事で、歯と脳の健康を守る
歯は単なる“食べるための器官”ではなく、脳の健康にも影響を与える重要な存在です。日常生活の中で「よく噛むこと」「歯を守ること」を意識するだけでも、将来の認知機能の維持につながるかもしれません。
参考文献:
- 厚生労働省「歯の健康と認知症との関連」https://www.mhlw.go.jp/
- 武見ら(2014)「歯の喪失と認知症発症リスク:久山町研究」
- Okamoto N, et al. (2010) “Relationship of tooth loss to mild memory impairment and cognitive impairment: findings from the Fujiwara-kyo Study.” Brain Res.
- 日本老年歯科医学会「咀嚼と脳機能の関係」https://www.gerodontology.jp/
