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抜歯を避けるための選択肢:クラウンレングスニング
こんにちは。下目黒・目黒駅エリアの歯科・歯医者の【ルートデンタルクリニック】です。みなさんはむし歯が大きすぎて抜歯するしかないと言われたことがありますか。クラウンレングスニングをすることで、その歯を残すことができるかもしれません。歯科医院で抜歯が必要と言われた歯を残すための手段の一つとしてぜひ覚えてください。
なぜ重症のむし歯で抜歯が必要とされるのか
むし歯が進行すると、歯を支える骨や歯ぐきにも悪影響を及ぼす可能性があります。これを防ぐためにむし歯の部分を削ったり、歯の神経の治療を行い歯の中の細菌を減らす方法があります。しかし、むし歯の部分があまりにも大きいと、歯が根っこしか残らないことがあります。このような状態では、治療を行ったとしても歯をつくることができないため、重度のむし歯においては抜歯が必要と言われるのです。できる限り抜歯をしたくない気持ちは分かりますが、抜歯は感染が他の歯や全身に拡散するのを防ぐための重要な治療手段です。また、抜歯は痛みを伴う症状や口腔内の不快感を軽減することも目的としています。抜歯後はインプラントやブリッジ、入れ歯などの歯を補う治療(補綴治療)を検討することで、機能や審美性を維持することが可能です。歯科医師はこれらの治療を通じて、患者が再び快適な生活を取り戻すことを目指します。
歯を抜歯する前に検討できる手段:クラウンレングスニング
クラウンレングスニングは歯科で行われる手術法の一つです。歯の根っこだけになってしまった歯は被せ物を行おうとしても歯ぐきが邪魔をして精密な歯型を取ることができません。精密な歯型が取れないと、歯にぴったり合う被せ物が作れないことになり、結果としてまたむし歯になるリスクが高くなります。クラウンレングスニングはそのような歯の周りの歯ぐきを慎重に取り除き、歯の露出部分を増やすことで、歯にピッタリと合う被せ物を作りやすくします。この手術は比較的短時間で完了し、術後の痛みも少なく、回復が早いのが特徴です。しかし、隣の歯が一時的にしみることや歯ぐきが下がることにもなるので手術前に歯科医師としっかり相談するようにしましょう。
クラウンレングスニングを行うにあたって
実際の治療手順
クラウンレングスニングを行う前には歯の状態を詳細に診断し、最適な治療計画を立てることから始まります。時には必要に応じて神経の治療などを前もって行う場合があります。手術当日には、まず局所麻酔を施し、歯ぐきを切開・除去し、歯の根っこを露出させ、最後に切った歯ぐきを縫い合わせます。これで終了です。
治療後のフォローアップとメンテナンス
治療後は1週間以内に歯ぐきの消毒、1~2週間ほどで糸を取ります。手術した歯ぐきの傷が落ち着くまで1ヶ月ほどかかることもあります。それまでは過度な歯ブラシやアルコールなど刺激物の摂取に気をつけるようにしましょう。また手術後は、仮の被せ物を装着し、歯ぐきの回復を待つことが推奨されるので、最終的な被せ物の装着までには、時間がかかる場合があります。早く最終的な綺麗な被せ物を入れたい気持ちは分かりますが、より高いクオリティのものを入れるためには十分な待ち時間が必要です。それまでは歯科医師や歯科衛生士と相談して定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。
歯を残す治療に関するよくある質問
治療のリスクと注意点
クラウンレングスニングは、歯を残すための効果的な手法ですが、いくつかの点に注意する必要があります。治療中および治療後に発生し得る合併症として、歯肉の腫れ、出血、感染症が挙げられます。これらのリスクを最小限に抑えるためには、痛み止めや抗生物質の服用、治療後の継続的な口腔ケアがとても重要です。また、歯がしみる、違和感がある、噛むと痛いなどの症状が出ることがあります。そのようなことがあれば必ず歯科医師に相談してください。状況によっては追加の処置や、残念ながら歯を残すことが難しいと判断し、抜歯が必要になる可能性もあります。
どうすれば歯を残せるのか?
歯を残すためには、早期発見と適切な治療が欠かせません。日常的な定期検診やセルフケアを怠らないことが、歯の健康を維持する基本です。特に、むし歯や歯周病は進行が早いため、初期段階での対応が重要となります。歯を残すための治療法として、クラウンレングスニングを説明しましたが、クラウンレングスニングによって必ず歯が長持ちするわけではなく、抜歯と言われるほどの歯をなんとか延命するというイメージです。ご自身の歯を長持ちさせるためにも、歯科医師とよく相談し、自分に最適な治療法を選ぶことが大切です。また、治療後のメンテナンスも歯を長く保つためには不可欠です。定期的なフォローアップや、自宅での適切な歯磨き、フロスの使用を習慣化することで、歯の健康を長期間維持することが可能です。健康な歯を保つためには、日頃からの予防と専門的なケアを心がけることが重要です。痛みが出る前に、しっかりとケアを行いましょう。